その地からのKAJITA 奈良編

鍜治田工務店の原点は奈良にあります。大阪、神戸、京都、名古屋、そして東京と未来に向かって大きくネットワークを広げつつある今もなお、全ての根元はここ奈良の地にあるのです。地元に育てられ、育ててもらったことへの恩返しと感謝の気持ちを忘れないことが、鍜治田工務店の行動の源であり、今も全国の各拠点がその地で「地元企業として根付いて発展する」を目標に掲げるのはこの奈良本社の姿をかがみとしているからです。

1980年代後半から社宅の整備、独身寮の新築、資材センターの改築と、まずは働く社員優先で環境を整備し、奈良本社新社屋は後回しにしていました。満を持して1995年に現在のモダンなデザインの社屋となりました。当時、社員達は上履きに履き替えなくていいのか、と土足で上がることをためらったと聞きます。同時に社屋に相応しい社員にならねばと決意を新たにしたそうです。

今、マンション建設が鍜治田工務店の大きな強みとなっていますが、伝統的に奈良本社では、官庁工事、福祉医療関係、店舗、工場を多く手がけてきました。こうした奈良本社ならではの特長を生かして成長を続け、企業の永続的な発展に貢献しなければなりません。またこの分野での技術伝承に一役を担っていくことも奈良本社の務めでしょう。

奈良本社から山々を眺めると心が落ち着くと社員は言います。明日は雨かな、晴れるかなと、山の様子と雲の流れを見て天候の予測もつきます。激変する時代の流れは予測できませんが、鍜治田工務店には大正時代から先達が重ねてきた挑戦の歴史があります。「変えるもの、変えてはいけないもの」、いわば温故知新の精神を全社に発信することが、創業の地にある奈良本社の責任だと考えています。

  • 旧社屋、本社棟・工事部棟
    旧社屋、本社棟・工事部棟